人形豆知識|雛人形の種類
雛人形には、衣裳を作って人形に着せた衣裳人形と、木目込み人形の二種類があります。さらに、人形のタイプによって、大まかに分類したものをご紹介いたします。
立雛飾り
立雛は雛人形の原点とも言われる立ち姿の雛で、シンプルな形が特徴です。
飾り方も人形と飾り台に金屏風というのが一般的です。紅白梅を飾る場合は、向かって右に紅梅、左に白梅を飾ります。桜と橘の場合は、向かって右に桜、左に橘を飾ります。
段飾りのような派手さはありませんが、何ともシンプルで、人形自体がより引き立ちます。場所をとらずコンパクトに飾れるのも魅力の一つです。
親王飾り
親王雛(しんのうびな)は内裏雛(だいりびな)とも呼ばれ、最も一般的な雛人形です。
親王雛二体なので、人形自体は段飾りのものより大きめのものも多く、衣裳も豪華ということで、人気があります。「大きなセットでなくても、人形の豪華さ、格調高さが感じられるものを」という本物志向の方にもお勧めです。
また、もう一つの利点は、少しずつ人形を買いそろえて将来段飾りにできるということです。
最初にセットで揃えなくても大きさや衣裳の格式等をそろえれば、あとから立派なセットが作れます。毎年少しずつ、お人形を増やしていく…そんなひな祭りの楽しみ方もいいものです。
男雛(おびな)、女雛(めびな)に燭台(しょくだい)、貝桶(かいおけ)を配し、後ろに金屏風を置いた基本的な飾り方を始め、さまざまのバリエーションでお飾りになれます。
二段飾り
これまでの緋毛せんを掛けた伝統的な段飾りではなく、塗り台に人形を飾った落ち着いた雰囲気の段飾りです。
上段に親王雛と三人官女、下段に五人囃子や桜橘(または紅白梅)を飾ります。
人形の数も五人、十人と段の大きさによっていろいろなタイプがあります。雛二体では物足りないが、段数はあまり多くないものが欲しい、という際にもオススメです。
三段飾り
人形の数も増え、各種雛道具も加わって、よりいっそう豪華な段飾りです。細かいお道具や持ち道具は紛失しがちですので、注意しましょう。
お人形やお道具の数も増え、より賑やかになります。人形が多いけれども、五段飾りより手軽な点が魅力です。
写真の雛の場合、五楽人は二段目、御駕籠と重箱、御所車、紅白梅は三段目に置きますが、雛によって飾り方が違うので、それぞれの雛人形の説明書を参考にしましょう。
五段飾り
人形は親王雛、三人官女、楽人(七人または五人)、随身、仕丁の十七人(十五人)飾りです。お道具類も全て揃った本格的な段飾りです。
この段飾りの前で家族や親類、友人が集まってお祝いのご馳走を食べるのはいかにも「桃の節句」らしい華やぎがありますが、最近の住宅情報を考えるとこのような祝い方は少なくなりました。段飾りは大きすぎるということで、コンパクトなスタイルに人気が集まっています。
しかし、お道具が少なくコンパクトなお飾りもあるので、用途や希望に添った段飾りをお選びいただくことができます。