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五月人形のできるまで

五月人形の兜ができるまで

甲冑師 二代目 加藤一冑(かとういっちゅう)

伝統を現代に伝える真多呂人形

甲冑師二代目・加藤一冑は、現在、忠実な時代考証を元に実物と同じ鎧・兜を再現できる日本で唯一の名工です。国宝や文化財に指定されている武具甲冑の模写修理に功績を残した初代名人一冑を父に、また名匠とうたわれる加藤秀山を叔父に、幼少から甲冑造りを学びました。

小さいながらも本物と同じ工程で作られる江戸甲冑は、東京都知事指定伝統工芸品に指定されています。加藤一冑は、その伝統工芸士の一人であり、今や全国で十人程しか残っていない甲冑師です。日光東照宮の千人武者行列の甲冑修理を始め、愛媛県の大山砥神社所蔵の源義経着用の「赤糸威鎧」の再現など、その確かな時代考証に基づく卓越した技でこれまで数多くの模写、修理を手がけてきました。

東京都功労者賞の表彰、節句人形コンクールで都知事賞など、数々の賞を受賞する加藤一冑・本物の技。工芸品としての美しさを合わせもった加藤一冑の兜飾りで、お子様の初節句をお祝い下さい。

名匠の魂をこめた手作りの兜

小札(こざね)張り

兜は、実際に武具として永年使われていたものですから、実物大でなくても各部を再現するような気持ちで作ります。この「しころ」の部分も約500枚もの小札を一枚一枚張り付ける根気のいる作業ですが、兜の基本になりますから、ていねいに糊で付けていきます。

皮とじ

小札を全部張り終わった後は、よく乾燥させてから、皮をとじるための穴を開けます。もともと小札は、牛皮でできていました。飾り用の兜は丈夫な和紙を使うため、糊が乾いてから、細い皮ひもでしっかりととじると「しころ」の下ごしらえは終わりです。


威(おどし)付け

黒い漆を塗った「しころ」に、緋色や朱の威(布の紐)を付けます。鮮やかな色彩は、武具とも思えない華麗さです。源平兜は、この「しころ」が五段あるのが普通です。

鉢(はち)造り

兜の各部分に取り付ける金具は、すべて手作りです。鍬形、鍬形台、眉庇などは糸ノコで一枚一枚造り、みがきをかけます。大量生産ができませんから、熟練がものをいいます。


金具造り

吹返し、鍬形、しころなどの各部分ができあがったら組み立てます。鉢の内側には全部組み立ててから、皮を貼ります。忍緒は全体の仕上がりを見ながら付けます。

完成

兜が完成するまでは、約二週間かかります。加藤一冑は手づくりの本格的な兜を製作できる数少ない名工のひとりです。端午の節句を彩る伝統の武具か現代に、見事に蘇ります。


【鎧兜について】 五月人形のできるまで | 甲冑師 加藤一冑伝

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