木目込み人形『藤娘』

藤娘という人形について、今回はお話しします。

「藤娘」というのはすごくかわいい名前ですよね。

紫の藤の花を持つ女の子で、黒い塗り笠をかぶっています。
塗り笠は江戸時代女性の間で流行したそうです。

この藤娘には、どんな物語があるのでしょうか。

藤娘はもともと「大津絵」という江戸時代に大津(現在:滋賀県大津市)で流行した民芸的な絵のひとつでした。

今でも大津市では、藤娘が交通安全のキャラクターになっていて、大津交通安全協会のホームページへ行ってみると、藤娘がシートベルトをした絵が出てきて面白いですよ。

もともとは、その絵から出てきた娘が踊るという歌舞伎舞踊だったのですが、その後藤の妖精が娘に姿を変えて踊るという内容に変化し、そのスタイルが一般的になったそうです。

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木目込み人形『高砂』

高砂人形は、夫婦円満・長寿の人形として有名です。
結納品などで贈られたりします。

高砂は、能の作品ひとつです。

今日はそのストーリーをお話しましょう。

あるとき、九州阿蘇宮の神官が都へ行く途中で、播磨の国(現在兵庫県の南西部)、高砂の浦へやってきました。
そこには美しい松がありました。

すると松の木陰へ老夫婦がやってきて、周りを掃き清めはじめました。
そこで老人が、高砂の松と住吉の松とは相生の松、離れていても夫婦であるという伝説を語ります。

相生の松とは、ひとつの根元から、雄松と雌松が分かれ出ているものです。
高砂は兵庫県、住吉は大阪府ですから、離れているんですが、それでも相生の松であると言っているわけです。

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木目込み人形『連獅子』

今日は七夕の日ですね。
短冊に願い事を書いて笹に飾りましょう。

連獅子人形をご存知ですか。

連獅子人形は、二体の親子人形で、親が白い髪、子が赤い髪なので、紅白でおめでたいと言われています。

「新築祝い」の贈り物として使われることが多いようです。
興味のある方は是非パンフレットをお取り寄せください

連獅子人形は、「連獅子」という歌舞伎を題材としています。

「連獅子」では、親獅子が子獅子を谷底に突き落として、駆け上がってくるかどうかという勇猛心を試す、中国の故事からとった話を表現しています。

連獅子の詩(うた)の中でちょうど親獅子が子獅子を落とす場面です。

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木目込み人形『羽衣』

この「羽衣人形」の羽衣とは、天女が着て、自由に空を飛べるという衣です。

能の作品「羽衣」は駿河の国、三保の松原が舞台です。

いつものように浜辺にやってきた漁師の男が、美しい音楽が聞こえ、よい香りがしてくるので、辺りを見回すと、松の木に世にも美しい衣がかかっていました。

あまりにも美しいのでそれを男は家宝にしようと、家に持ち帰ろうとします。

そのとき一人の天女が現れ、その衣は自分の羽衣で、それがないと天へ帰ることができないので、返してほしいと頼んできました。

それを聞いて漁師はますますその羽衣を家宝にしたくなりますが、天女がかわいそうになったので、羽衣を返すかわりに、天上の舞を見せてくれと頼みました。

こうして天女は三保の松原のすばらしい景色の中、天上の舞を舞い、そして天へ帰っていきました。

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木目込み人形『かぐや姫』

竹取物語は、日本最古の物語といわれています。

真多呂人形では、「運命(さだめ)」という木目込み人形を製作・販売しておりますが、これは、竹取物語のかぐや姫を具現化したものです。

「運命(さだめ)」は、天の羽衣をまとっています。
手には衵扇(あこめおうぎ)という、きれいな糸が端についた扇を持っています。
衣装は袿姿(うちぎすがた)という、平安時代の貴族の常服です。

竹取物語の詳しい成立時期はわかっていません。
平安時代、古今和歌集がつくられた905年には、すでに成立していたそうです。

竹取物語は、源氏物語など、後の物語文学に大きな影響を与えた作品として知られています。

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